町工場二階空目薬工房

KOICHI FURUYAMA


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一澤帆布『帆布茶団布茶物語』案

一澤帆布に至る道 (1)

カバンに興味を持ったのは、ちょうど20年前に行ったイタリア旅行からである。
街行く人のほとんどが、それぞれ個性的なカバンを下げていて、そのカバンが飴色になるまでよく使い込んである。自分と一緒に年をとっていくものが身近にあるのはいいなあ。うらやましい!ほしい!と変化していって、美術館が3時で閉まるのをいい口実に(イタリアの美術館は3時で閉まる)それ以降はひたすらカバン探しの旅になった。

ローマ3日目にしてようやく探しあてたのがこのカバンである。なんとバーゲンのシーズンでこれが定価5万円の物が半額で買えた。
その日から今まで使っていた安っぽいナイロンのバックをホテルのごみ箱に捨て、このバックを擦りながら旅を続けることになった。

もう、この日から人生が違うのである。ひたすらカバンを眺め、にたあっと笑みがこぼれて来る。ここで終わっておけばよかったのである。

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カバン


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