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正紀の竜の子日記(1)
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私、田中正紀は昨年末12月22日から翌1月7日まで竜の子に居候としてお邪魔していました。その時の思い出を紹介します。
12月22日につくばを出発し、長野黒姫を目指し始めたのが午前9時。武子さんには人の車で行きますと伝えてあったのですが、この日はヒッチハイクで行きました。まあ人の車には変わりないのですが。リュックを背負い、片手にギターを抱えもう一方の手にホワイトボードを持って旅立ちました。高速道路のサービスエリアの出口で立っていると不思議そうに見ている人や興味も示さない人、敵意すら見せているような人までさまざまいますが、親切な人が多く結構な確率でのせてもらえます。運転手つきの会社役員と思われる人の高級車にゆったりのったり、積み込んだ荷物を整理して載せてくれる夫婦、男の仕事場トラックの助手席にのったりと車が止まるたびにわくわくしながらあっという間に長野へ。ヒッチハイクの最後の難関はどうやって高速から降りるかですが、この日も松代P.A.で考えていました。5時を過ぎ、あたりも暗く、車の数も少ない。しかも長野市で降りる車にのってはいけないし、というわけで新潟ナンバーにねらいを定め、漬物屋さんのトラックに交渉することに。
「すみません。新潟まで帰られますか?」
「悪いね、途中寄るところがあるんだよ。」
しかし、他には新潟ナンバーの車がいなかったので食い下がってみる。
「どこに寄るのですか?」
「しなの。信濃町だよ。」
「乗せてください。」
というわけで運良くぴったり信濃町インターで降りることに成功。そこから歩いて竜の子へ向かう。近いようで意外と遠かったけれど6時すぎに無事到着しました。
その夜は部屋でギターを弾いていると晴美さんにレッスンを受けました。弾いていたら少しくらい教えてもらえると思ってギターを持っていったのですがいきなり教えてもらえてとてもラッキーでした。しかもそれから2週間ほぼ毎日深夜のレッスンがあり、寝るのは12時を過ぎるほどの過酷さと晴美さんが言っていました。レッスンの終わりには必ずそろそろ寝かせてくれと言われていました。弾けるようになると楽しくてやめられなくなってしまい気が付くと12時という毎日でした。
翌日から仕事が始まりましたが、最初の仕事はもちろん雪掻き。朝からバルコニーの雪掻きをしてあっという間にお昼です。それでも終わりません。雪掻きなんてしたことないんでしょうと言いお手本を見せてくれた武子さんのうまいこと。雪掻きはとっても大変で、ニコルさんが「小説を書きに黒姫に来たのに雪ばかり掻いている」と言っていたのを思い出して納得しました。
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