町工場二階空目薬工房

KOICHI FURUYAMA


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正紀の竜の子日記(3)

実は、新たな日々とは感動的な話ではなく、ウイスキー三昧の日々でした。居候の黒田さんが持ってきたウイスキーをこれから数日間、毎晩頂いていました。とってもおいしかったのですが、おいしすぎて飲みすぎて叱られてしまいました。もっと味わって飲むようにと。黒田さんごめんなさい。でも本当においしかったから。夕飯の後片付けもすべて終わってから飲むので毎日寝るのは2時や3時。しかも6時や7時には起きるので毎日飲むのも大変という贅沢な日々でした。ある夜はいい気分になってそろそろ寝ようかと言う時に山荘で停電になったらしく急いで向かうことになり、逃げようとした瞬間つかまって夜中の泥酔ドライブを体験。つくばでは考えられないくらいパトカーがいない。長野は本当に良い土地です。

あっという間に日は経ち、大晦日。お客や居候、知り合いなどたくさんの人が訪れてとってもにぎやかに年の瀬を迎えました。晴美さんの手作りそばを食べ、カウントダウンをし、万端整って鐘つきに行きました。たくさんついてたくさん煩悩を飛ばそうという考えでお寺巡り。その考えがそもそも煩悩な気がすると思いながらも我先にと走ったりしてしまったのです。

年改めて、元日は年末についたお餅でお雑煮をみんなで頂きます。この日もまた多くの人が来ていて本当に良いお正月だったのですが、またまた驚かされたのがその時のお碗。人数が多いからいつもと違うものを出したのかと思ったのですが、お雑煮を頂こうと思って手にとるととてもきれいに塗ってあって、ん?!何だこれは、とてもいい。お雑煮が本当においしそうに見える。やっぱり良いものは良いな、とあたりまえのことを感じました。

正月も何日か経つと落ち着いてきて、仕事はじめがあり大学が始まる日も近づいてきて、最後のほうはのんびりと過ごしていました。夜のウイスキー三昧も終わり、再びレッスンが開始され、雪掻きも増えてきていました。毎日温泉に行って、ギターを弾いて、仕事もあるけど楽しい。最初は脅かされて来たけどせっかく行くならなるべく長くいられるようにと思って冬休みすべてを使ったのは正解だったと感じています。他にも、お客の前でいきなりギターを弾いたり、温泉に行って迷子になったりといろいろ楽しいことばかりでした。たくさんの人が行ったり来たりしていて、その人たちが楽しいことを持ってきてくれる。たくさん人が集まるというのは本当に楽しい。あそこに行けば誰かいる、という場所の素敵さ、そして居合わせた人みんなが一緒にいられる場所。また、そこであった出会い、そういうものを大切にしたい。そしていつか自分も人が集まってくれるような人間になりたい、そう思いました。充実して、あっという間の2週間でした。



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