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アファンの森の会事務局から(1) 重枝舞

今回、初参加で事務局を勤めさせていただきました、重枝舞です。

初参加、ということで、私はとても緊張していました。といいますのは、私は大学も3年生になってようやく慣れて友達ができた、というくらいの大の人見知りなのです。ですから、このアファンの森で語る会に参加できるとわかった時は、嬉しさ半分、恐怖半分くらいでした。

そんな緊張の解けぬまま、到着した私を待っていたのは合唱の練習でした。本当に驚きました。合唱は好きな方でしたが、人前で歌を歌うなど何年もしていません。緊張と驚きともともと持っている音痴のおかげで、恐ろしく音程の外れた歌を練習中に披露してしまいました。

その後、願いは届かず降り続ける雨の中、初めてアファンの森を訪れました。雨と葉や草、土の入り交じった湿ったにおいが森には立ち込めていました。そういうにおいが私は好きです。だから、実際には雨が降っていてもそんなに気にはなりませんでした。むしろ、降っていて良かったと思います。草花につくしずくや水たまりを見ることもできましたので。

森では、生きている、生きようとする自然を感じたような気がします。私の通う大学の周りは木々がたくさん生えていて、よく「自然に囲まれた」などという文句とともに紹介されることがありますが、その「自然」とアファンの「自然」は違う、とそのとき私は思いました。ここで感じた森の自然は、生き物としての気配を持っていたのです。それが私にとっては感動的で、なぜ今までそういうことを知らずに生きてきたのだろう、と考えてしまいました。21年と少し、生きてきてそれを知らなかったのは、周りにあったものが生きている自然でなく、それなのに私はそれが自然だと思っていたからでしょうか。そうだとしたら、私と同じような人間はたくさんいると思います。たくさんどころか、ほとんどの日本の人間はそうであるのかもしれません。それが正しければ、この会に参加して、ここに訪れてそれを直に感じることが出来た私は、本当にラッキーです。そして、幸運な私は、そこで思ったことを周りに伝えていかなくてはいけないなぁ、と森の中で思いました。そして、大きなことが今すぐにできなくても、友人や家族には帰ったらすぐに話そう、と決めました。

そうこう考えながら歩いているうちにいつの間にか、ニコルさんグループと松木さんグループに分かれてしまい、私は松木さんグループに混じって山椒を食べて口の中をピリピリさせたりしていました。雨で勢いを増す濁流の中、必死に留まるイワナも見ました。そのうち、神隠しにあったのではないかと思われたニコルさんグループも戻って来て、森の見学は終了しました。


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アファンの森で語る会


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