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KOICHI FURUYAMA


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C.W.ニコル講演「少年時代」(1)

まず、私は「生まれはどこですか?」と聞かれて、日本で「ウェールズ」と答えると、「えっ?」と言われることがほとんどですね。講演で、「イギリスの南ウェールズ出身です」と言われて、いつも腹が立つよ。イギリスという国はありません。それは明治政府が作った嘘です。イギリス is English. There is no country of English. There is England. それは、私の国とは別。ウェールズ、スコットランド、アイルランドはみんなケルトですね。インドの学者から聞いたんですけど、ケルト語の元はサンスクリットです。だいたい森が破壊された事で、人類に飢饉が来ることが多いんですけど、ケルトの祖先も飢饉があって、中央アジアから移動したんですね。ケルトの文化は、特にドイツの山々、スイスの山々、オーストリア、ガリシア地方、スペイン、北イタリアから、約3千年前に英国の島に渡ったんです。

それには2つの波があって、フランスから渡った人達と、ガリシア地方から渡った人達です。だから、ケルト語は大きく2つに分かれています。アイリッシュケルトとウェリッシュケルト。両方とも兄弟みたいです。でも、明治政府が、英国と同盟を作った100年前に、「英国は本当はばらばらだ」という事を日本人が知ったら、多分、会津が独立したかもしれないな。北海道が独立したとか、四国で独立したとか、そういう運動があったかもしれませんね。だから明治政府は、「国は一つだ。」と嘘をついた。だから、私は「イギリス人」と言われると「むっ」と来るんですね。それは何故かと不思議ですね。どうでもいいよな、僕は日本人なんだからな。

オーストラリアに行ったら、「Are you pom?」と言われて、「I’m not Pom. I’m Welsh.」と言うと、「あぁ、ごめんなさい。」それから、「Are you English?」と聞かれて「No. I’m Scottish, I’m Irish, I’m Welsh.」と言うと、オーストラリア人がだいたい謝ってくれるんです。それ程、英国、Englandは嫌われてる。どうして嫌われるかというと、この歴史は恐ろしいですよ。まず、ローマ帝国が2千年前に英国を支配してました。でも、ローマ帝国のやり方は確かに残酷だったけど、相手の文化を尊敬して、相手の言葉にローマ字を付けるんですね。だからウェールズ語は2千年前から、ローマ字が付いてるんです。

例えば、日本に「テレビ」と入る様にですね。ウェールズ語には「pons=橋」というのが入ったんですね。それから、fenestra=窓。Windowはサクソンで、wind hall。ローマのfenestraとは違うんですよ。風穴が英語ですね。そういう言葉が沢山入ったんです。そして、ローマ帝国の為に働いてくれるなら、ローマ市民権を与えてくれた。それが英国で260年位、日本の江戸時代位の長さで続きました。

これは、我々の旗。This is our national flag. Red dragon.ウェールズに行くと、どこでも建物の上にこの旗が立っているんですよね。Union Jack is underneathです。そしてこれは森のポスターです。ここに書いてあるのは、英語じゃないぞ。英語に訳すと、Life in the dead wood, dead and dying trees play a vital role in maintaining bio diversity within forest eco systems. これは我々のアファンの兄弟森から出た、1つのポスターです。

僕はウェールズで生まれて、最初の言葉はウェールズ語が多かったですね。あの時代はまだ、Englishにしないと駄目だということがあって、学校に行きだしたら、ウェールズ語で喋ったりすると、殴られました。髪の毛を先生に引っ張られて、耳を引っ張られて、「ウェールズの馬鹿だ。」とたたかれて、追い出されたんですよ。これは普通でした。だから、僕はあの時から、ごめんね先生方、学校大っ嫌い!私のじいちゃんもばあちゃんは素晴らしい英語もしゃべるし、ウェールズ語もしゃべる。言葉が2つも出来る。先生は1つしか出来なくて、「どちらが馬鹿だ。」と思ってたんですね。だから僕は英語には反発しました。

最初、ローマ字を覚えた時に、黒板に「A」を書いて、「A is for Apple.」「?」「A is for Apple.」Aは[ei]だろ。Appleは[a]だろ。何故、[ei]は[a]になるの?Appleは[eipl]でしょう。だから始めからおかしいと思ったんですよ。それから、「B is for Bat」まあ、[b]という音は一緒だったけど、「[bi:]は[ba]だ?」うーん・・・。僕は5歳だったからね。それから、「C is for Cat.」「What? 分かんないよ!」だから、もう始めから、「こいつら言ってる事が、納得出来ん!」と思ったんですよね。

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アファンの森で語る会


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