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C.W.ニコル講演「イヌイットと私」(7)
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尾立さん:何千年も前からの猟を伝承するみたいに、知的なものも伝承していったんですね。
ニコルさん:そうですよ。それで、18歳でこの島(サニキロワック?)に行った時に、色んな話しを聞いたんですよ。グリーンランドには、犬男達が居たと。お前みたいな顔をしたとんでもない奴らだと。人見たらすぐ殺す。女を奪ったり、分けてくれと言ったら分けてあげるのに、獲物を全部取ろうとする。実際は、1200年アイスランドから500人のバイキングが最初に行って、5千人の町が2つあったんですね、コロンブスが行く前に。彼等は牛を飼って、トナカイとセイウチと一角獣の猟をした。でも、魚は獲らない。アザラシはあまり食べない。500年位したら消えてしまうんです。餓死だろうと。
古山先生:イヌイットの人達は犬はどうしてるんですか?
ニコルさん:エコツーリズムが少し流行って、犬ぞりを飼ってる人が増えました。一時的にはほとんどなかったけど。でもグリーンランドは犬ぞりをずっと守りましたね。僕が行った時は、子供でも犬と居たけど、犬は危ないですね、結構。噛むことは嚼むね。それで嚼んだら、ぼこぼこ。
森田さん:日本人の愛玩動物との関わりと本当に違って、あまりべたべたしてないの。いざという時に、犬が獲物として人間を食べちゃうから。探検に行くと犬と人間だけで、飢えは一緒だから。そういう上下関係はすごいはっきりさせてた。それで、厳しさと同時に、犬に生き残る大事さを教えるんですよ。だから、お互いの本当の意味でのパートナー。生きるってことを前提にしてのお互いの立場を尊重するっていうのは、もの凄く、違う愛情に満ちてましたね。
ニコルさん:イヌイットと日本はどうつながれるかと。まずね、イヌイットは日本人嫌いじゃない。兄弟だと思っているんですよね、顔が似てるから。偏見が全くありません。僕が「日本人になった。」と言うでしょう?するともの凄く喜んでるんですよ。もう白人じゃないから。そこには、例えばバフィン島の昆布。大量にあるんですよ。イヌイットは昆布を食べるけど、昆布の保存は知らないんです。それから北極イワナが大量にある。日本の漁師が入って獲ったらダメね。イヌイットが獲って、日本に分け前をくれればいい。それから、カラスカレン(魚)。それから、南アフリカよりもダイヤモンドが多い。北極とのつながりはこれから日本がやったらいいなと思う。今は、行きたかったら、誰でも行ける。明日の朝飛行機に乗ったら明後日までにバフィン島に居ますよ。北極に行ったら服も貸してくれるから、別に荷物沢山持って行く必要ない。バフィン島までは毎日飛行機、ジェットが飛んでいます。オタワとモントリオールから。そこから例えばグリーンラドに行ったり、スノーモービルでイヌイットと小さな村に行ったり、釣りをやったり出来る。私が最初行った頃は、とんでもない、出来なかったです。
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