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KOICHI FURUYAMA


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C.W.ニコル講演「イヌイットと私」(8)

高島先生:今、イヌイットっておっしゃてましたけど、昔はエスキモーって言ってましたよね。アラスカではまだエスキモーと言ってますが。

ニコルさん:そうですね。ひとつは、我々白人も、日本人も「エスキモー」は彼等の言葉だと思っていました。悪い気持ちでエスキモーと言ってなかったですね。あれは南のチパワイヤンという民族の言葉です。彼等は、イヌイットと会ったらすぐ殺したんですね。「生肉を食うやつら」という意味なんです。だから、イヌイットはエスキモーという言葉は大嫌い。ただ、アラスカの人達は、自分のことをイヌイットと呼ばずに「イヌピアット」と言うんです。彼等はエスキモーは英語だと思ってるんです。イヌイットが学校に行って、南に行って、黒人が「nigger」と呼ばれたら、もの凄く反発して、自分達を「black」か「afro american」と呼べというのを見て、おれたちも我慢する必要ない、イヌイットと呼んでくれと。そして、カナダでは差別用語として放送禁止用語になったんです。だから、僕は25年前からNHKに一生懸命、それを言ったの。今、カナダ北極に行ってエスキモーと言ったら、必ずケンカになります。

志ん弥師匠:おばあさんの話しの中で、あやとりをしてたと。日本でもやりますけど、ニコルさんが居た英国とかエチオピアとかそういう所でもあやとりはあるんですか?

ニコルさん:ありますよ。英国もあるし。森田さんがイヌイットの子供とあやとりをやったね。

森田さん:言葉は通じないけど、だけどあやとりは出来るの。女の子だけじゃなくて、男の人も知ってて、50歳位のおじさんともやったの。でも、これは橋とか、そういう名前は違って、動物だったりするの。あやとりの動きで物語を語るから、要するに、歌みたいにして覚えちゃうんですよ。だからニコルが言った様に8千年。文字にすると消えちゃうんですよ。

中谷さん:本を読むと、テレパシーの話しが出てくるんですけど、どういう感じなんですか?

ニコルさん:あまりにも不思議な経験を、一杯しましたね。14年前に僕はバフィン島を一人でカヤックで旅をしたんですよ。ある大きな島を歩いたら、白いものをみつけたんですよ。何?って見たら、人間の頭蓋骨。長いし、歯がとても悪い。だから白人ですね。それで鼓膜に穴が2つあった。中にカラーンと弾が2つ入ってたんですよ。だから、自殺じゃないよね。それで、お墓じゃない。ばらばらに骨があったんですよ。私は骨を集めて、海が見える所で石を積んで、花を置いて、そこで紅茶を作って、紅茶をかけて、自分も飲んで、僕なりにお祈りした。イヌイットは人の骨を触るのを嫌がるから、言わなかった。でも、昔から知ってる年寄りの所に行ったら、「見つけたね。ありがとう。」って。「あの白人。あいつの幽霊がしょっちゅうあの辺で見えるけど、誰もみつけられなかったんだ。ありがとね。」僕、誰にも言ってないよ。もう、ぞーっとするね。僕は多分イヌイットに殺されたんだと思うんですね。だからイヌイットは事故のことは知ってる。でも、遺体はどこにあるか分からない。それはしょっちゅうあるよ。

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